山中塗コラム
漆の片口を楽しむ~山中塗編~
山中塗 6.0片口鉢縁布貼古代朱 17,600円(税込)▷この商品をもっと詳しく見る
器と言う器には多々種類がありますが、こちらでは汁ものを注ぐ器として知られている片口についてご紹介させていただきます。
◇たかが片口、されど片口
片口は数ある器の中でも私の一番好きなうつわです。仕入の展示会場や旅に出た時など、ついつい目が行くのがこの片口。だから自宅の食器棚には数多くの片口が入っています。そして上のお写真は山中塗の片口です。色、艶ともにさすがと言わんばかりの存在感がありますよね。日常遣いからもてなしのシーンまでさまざまに活躍する、まさに器多用の万能選手。たかが片口、されど片口、といったところが一番の魅力でしょうか。
◇片口とはどんな形?
鉢の片方に注ぎ口があるもの全般に片口と言います。口の形も雀ぐちといわれるような三角の口や天狗の鼻のように長いものもありさまざまです。材質は漆器もあれば陶器や銅器、プラスチック製品やガラスなど多種多様です。
◇片口は何に使うの?
もともとは台所用具の1つで油、酒、醤油、など口の小さい容器に移す為の道具ですが、最近では本来の役目を離れて盛り鉢等に使われている方も多いです。たっぷりの煮物を大胆に盛り付けると食卓も賑やかになります。我が家では「お浸しや煮物」を入れることが多いのはそのお汁がとびきり美味しいからです。
現代の生活の中に和洋が混在する中で、和洋のつなぎに漆器を使うというのも一つのアイデアだと思います。こちらは、大きな片口にオアシスを入れてカサブランカの花をアレンジしてみました。和と洋の調合とでも言いましょうか、我ながらあっぱれ!と自画自賛です。
大きい片口であれば沢山の氷を入れて、ワインクーラーとして使うのも素敵ですね。陶器&漆器やガラス&漆器の組み合わせも違和感がありません。冬は色を吸って暖かく、夏は涼やかにと、生活の中に息づくアートな感覚を漆の片口で表現できれば最高ですね!
ちょっとした工夫次第でうつわもぐんと生きてきますよ。