輪島塗コラム
輪島塗の合鹿椀
高価な漆を使い、手間暇をかけて作られる漆器。日常、私たちの生活の中で馴染の深いお椀がありますが、その中でもひときわ存在感のある合鹿椀というものがあります。読み方は「ごうろくわん」と読みますが、皆さんは実際に手に取ってご覧になったことはおありでしょうか?今日はその合鹿椀についてお話をしようと思います。
◇合鹿椀の特徴
輪島塗【中門博作】 合鹿椀¥39,600(税込) ▷この合鹿椀をもっと詳しく見る
合鹿椀は、現在では全国各地の職人さんや漆芸作家の方が製作していますが、元々は輪島市の近くに位置する合鹿村で使われていたことに由来します。この合鹿椀の形が輪島塗の原型とも言われていますが、詳細は明らかではなく「幻の椀」とも言われています。かつては日常雑器だったそうですが、その姿や形に定義があります。まず高台が普通のお椀に比べてとても高く、姿が大らかで普通のお椀より倍以上の大きさがあるとういことです。
素朴で無駄のない形の合鹿椀は、作業工程も無駄がなく輪島塗に見られる蒔絵や沈金といった加飾も一切ありません。こんな大きなお椀をどのような目的で作られ使われていたのでしょうか。それは村人が日常に使う食器として作られたことを表し、長い間村人が日常に使う食器として作られたことを表しています。そして、その形を変えることがなかったのは、長きに渡ってその地域の中だけで使い続けられていた為、その原型を変える必要がなかったからとだと考えられています。
◇中門博の合鹿椀
輪島塗 【中門博作】合鹿型椀(曙)¥52,800(税込)▷この合鹿椀をもっと詳しく見る
こちらの作品は中門博(なかかどひろし)さんの作品です。中門さんは4代目にあたる上塗の伝統工芸士で、色漆の第一人者とも言われています。色漆とは器をキャンパスに見立て、彩り豊かな漆を塗りあげる“彩漆”が特徴です。
この道40年以上の経験と感性により、グラデーション塗りなど独創的な技法によってモダンな漆器を制作してきました。従来の輪島塗の概念を打ち破る斬新で革命的なこのグラデーションのある漆器は、若い世代にも人気が高く幅広い年齢層にも好まれています。
中門さんは、「先人の技術を守ることと、試行錯誤と創意工夫を続けることの両方が合わさったものが輪島塗の伝統工芸であり、新しい輪島塗を工夫・創作していくことで更なる品質の輪島塗が出来ると思っております。」と仰っています。これからも注目したい作家さんの一人です。
◇合鹿椀の使い方
輪島塗 内朱合鹿型椀/送料無料33,000円(税込)▷この商品をもっと詳しく見る
ざんぐりとした形がいいと好評です。海鮮丼など各種丼の他、散らし寿司やお雑煮などありとあらゆるお料理に最適です。寒い冬には酒粕をきかせた豚汁やけんちん汁など具だくさんのお汁にも大活躍です。いやいや、お茶漬けなどにも合いそう…といった具合に、イメージが膨らみますが、何か楽しい使い方をしていただけるとうれしく思います。
漆器の特徴としてはまず軽いこと、そして次にさめにくいこと、さらに熱い料理を盛りつけても持つ手や唇が熱くならないなどといった利点が沢山有ります。おおらかで堂々とした風格ある姿と、素朴な椀の中にも謙虚な気品を秘めた合鹿椀を普段の食卓のうつわとしておすすめします。
◇男性に人気の合鹿椀
特に男性に人気が高い合鹿椀ですが、とりわけ豪快にどんぶり飯をほおばる姿が様になりますよね。手ごたえのある大きさが男性の大きな手にしっくりとくるようです。また、これだけ大きいと重いのでは?とおもわれがちですが、漆器は陶器とは違いとても軽いです。ほとんどの方が手にすると余りにも軽いので驚かれます。
床で食事をとる時代の人達が手にしやすいように、高台を高くつくった器が起源とされている合鹿椀です。その時代から現代へと受け継がれた一器多用な椀として、豪快さと使い勝手の良さから、父の日のプレゼントや敬老の日の贈り物としても喜ばれています。
◇お気に入りの合鹿椀を贈る
気に入ったものだから『誰かにあげたい・・・』この発想ってけっこう人を感動させるようです。きっと贈るという気持ちの原点なんでしょうね。美味しいものが手に入ったらほんの少しおすそ分けしたい・・これもとても素直な気持ち。その贈り物は食べ物だけに留まらず、お気に入りの盛鉢だったり使い勝手のいいお鍋であったりその品は色々…こんな気持ちを上手に贈ることができたら人生もきっと愉しく過せそうですね。
さまざまのお椀をお持ちの方にもきっと面白がっていただける多用途のお椀だと思います。漆陶舗あらきではお買い求め頂いた商品は真心こめてお包みさせていただきます。ラッピング・熨斗についてはこちらに詳しくご説明させていただいてます。